鳥まみれの我が家にいる唯一の爬虫類、クサガメのつきこさん。
2018年1月現在で推定7歳の女の子です。
つきこさんとの出会いは2017年の12月。
野良猫の保護活動TNRをしている知り合いからの連絡でした。
どうやら警察で保護されたいたカメさんが保管期限を過ぎて下げ渡し、あちこちたらいまわしで最終的に行きついたのが知り合いがボランティア活動をしている動物病院だったようです。
そう、正直カメは苦手。
遠くで見ている分には可愛いのですが、触ってみたらとか言われると非常に困ります。
小さい頃に玄関の靴だなの上に水槽を置いて飼っている友達が居ましたが、水が腐ったようなきつい匂いが嫌でできる限りその子の家には行きたくありませんでした。
そんな印象がある上に水換えが必要な生物は手間がかかるので一緒に暮らしたりはしたくありません。
とりあえず種類がわからない事には引き取り手も探せないので、カメの写真を送ってもらいました。不鮮明な写真には黒い甲羅に黄色の水玉?ラインが入ったような子が写っています。
手のひらサイズといわれたその子はネットで検索するとどうもクサガメという種類のようです。
飼い主はカメに対する知識は全くなかったので、クサガメがどういうカメなのかもわかりません。
懇意にしていたペットショップで店長のペットとして店内でカメを飼育していたので、引き取ってもらえないか連絡をしました。
答えはNO。クサガメは大きくなるのでむつかしいそうです。
しかし店長が機転をきかせたのか、そこで働いている店員さんに聞いてくれたようで、バイトの1人が引き取り手がいなかったら引き取ってくれるそう。
カメが苦手とは言え、行き場の無い子が家族の一員として迎えられるのは嬉しい事です。
さっそく知り合いに伝えると、彼女もカメは苦手らしく一刻も早く手元から手放したい感じぷんぷんで、とりあえず飼い主のところへ連れて行くと言い出しました。
いや飼い主もカメ苦手だし困るんだけど・・・・・・
強引な彼女に推し負け、一旦我が家で預かる事に。
ただ飼育用品が全くないので、ホームセンターで急いで購入する事になりました。彼女も流石に悪いと思ったのか飼育用品代は持ってくれるそう。飼育用品ごと里親さんに渡せば飼い主も困らないので、甘えました。
てのひらサイズのカメさんという事で、基本のセットを購入。
ちなみに飼育用品を購入して家についたのは、カメ打診をされた3時間後の話です。
そんなこんなで雪がちらつく中、車で我が家にやってきたカメ。
立派な甲羅20㎝超え!
しかもカメさんはタッパーにミチミッチに入れられて連れられてきました。
一緒に油分が浮いてる? と思ったらカメご飯代わりのドックフードがぷかぷかと……
とりあえず引き取ってもらうまで我慢してもらうかと水槽に……水槽に?
そうなんです、飼い主はカメに触れないのです。
箸で持つにも大きすぎて不可能、それじゃあトングはと思ったのですがカメの幅に開くほど大きいトングなんて持ってない!
手足を引っ込め石のように固まっているカメを前にパニック状態の飼い主。
仕方が無いからなんとか触らないようにタッパーをナナメにしてカメが自主的に水槽に入ってくれるよう促しましたが、カメは固まって動きません。
勢いよくタッパーを動かしたら。
ドン!!ガガン!ガン!!
勢いよくカメが水槽に落下してしまいました。
そこは流石カメ。引っ込めたお顔から目だけがギロリと動いていました。
これでとりあえずはひと段落。
後は引き取ってもらえるのを待つばかり……と思いきや。
大・ど・ん・で・ん・返・し!
……
…………
はぁぁあぁああぁあ?!
彼女と同居している人が爬虫類は無理と拒否したそうです。
……
…………
………………
行き場を失ったカメが一匹。
我が家に取り残されてしまいました。
これがリクガメとかめずらしいカメならば引き手数多だし、爬虫類ショップでも引き取ってくれたでしょう。
しかしクサガメです。しかも20㎝超えの巨体。
飼い主はカメを遠くから横目で眺めつつ、知り合いの言葉を思い出しました。
アニパルとはアニパル仙台、動物管理センターの事です。
彼女はそこに知り合いがいました。
しかし連れて行ったとして、どうにかなるものとは思えません。
それに飼い主はこの時すでにカメについて検索をしていたので知っていました。
引き取り手の無いカメは冷凍庫に入れられ殺処分される事を……(※)
※宮城県で行っているかは不明です。
ついつい連れてこられた状態を思い出してしまいます。
20㎝の巨体が濁ったお水の中にドックフードと共に入れられている姿。
変温動物なのに12月の外気温に放置されていた事、もちろん冬眠できるような状態でも環境でもありません。
さらに気付かなければよいものを、飼い主は気付いてしまったのです。
両手足4つすべての裏側のウロコが剥げてピンク色の表皮が露出していました。
さらに2本の前脚のちょうど甲羅にあたる場所が、抉れたように肉が露出してかなり重症っぽいです。
動物を適正に飼育できなくなるくらい多頭飼いしてしまう人は精神を病んでいることが多いそうで。
飼い主も自分で自分がちょっと危ないんじゃないかなぁと思う事があるのですが。
天涯孤独となって長い事経ちますが、同じく天涯孤独の子を見捨てられないのです。
一応最後の悪あがきとしてカメを引き取ってくれる施設やショップを探しました。
静岡にある有名な爬虫類動物園「iZoo」
日本初!体感型動物園iZoo【イズー】 | トップページ
体感型動物園izoo(イズー)の公式サイトです。何度来ても楽しく、訪問する度に変化する日本初の体感型動物園としてマニアから爬虫類に興味がない方でも満足できる動物園を目指します。日本ではここでしか見る事の出来ない生物も多数展示。展示ばかりでなく、繁殖を自然状態で観察でき、本来の野生の姿で生活している様が観察できる。 日本での爬虫類研究基地になりうる施設として社会貢献します。
神奈川にあるカメの里親探しに力を入れているショップ「かめんちゅshop KEEPER 2号店」
亀の繁殖・カメの販売・里親捜し!ペットかめの生体販売店かめんちゅshop KEEPER 2号店(神奈川県横浜市港南区のお店・エサ用品通販OK)
横浜市港南区でカメの繁殖個体のみを販売するお店です。各種亀のエサも取り扱っております。通販可。里親探しに力を入れております。都道府県名別の里親募集掲示板(利用無料開放)も有ります。飼育しきれなくなったかめは当店へ。
どうしようも無くなった時はこちらを頼れば良い、そう思うと気持ちは楽です。
そんな感じの紆余曲折を経て、つきこさんは我が家の家族になりました。
きちんとカメさんを診てくれる動物病院も見つかり、足の怪我は順調に回復しています。
つきこさんは人懐っこいカメのようで、膝の上に乗ってきては手足をだらーんと伸ばして寛いでいます。
元々クサガメはミシシッピアカミミガメに比べると顔立ちが可愛らしく好奇心旺盛で人にもよく懐くみたいです。もしつきこさんがミシシッピアカミミガメだったらまた別な対処をしたと思っています。
推定7歳なので、一般的なクサガメの寿命から考えるとオカメインコのざくろちゃんと一緒くらいの期間を飼い主と過ごしてもらうことになりそうです。
成り行きとは言え縁があったと思って大事にしてあげたいと思います。