ラウディブッシュと並び鳥専門医からお勧めされるペレットがハリソンです。
ハリソンは1970年代後半に、鳥の飼育に30年以上の経歴を持つ獣医ハリソン博士がフロリダの農場で自分で食べ物を育てペットの鳥を飼育し始めた事から始まります。ハリソン博士は早い段階でペットの鳥の病気の大部分は優れたご飯(栄養)を与える事で防ぐことができると考えていました。
この考えが鳥の予防医学の基礎となり、80年代半ばに彼と鳥獣医仲間と鳥栄養士の協力を得て完成したのが、初の認定された有機ペットフード「ハリソン」です。
現在は日本の小売店にも流通していますが、2000年の初めは処方食であり、獣医士さんの指示が無ければ購入もできませんでした。
我が家ではラウディブッシュと共に常食しているペレットです。
Harrison’sハリソン アダルトライフタイム
粗タンパク質 | 最小 14% | ||
粗脂肪 | 最小 6% | ||
粗繊維 | 最大 4.5% | ||
水分 | 最大 10% | ||
粗灰 | 2.7% | カルシウム | 0.6% |
リン | 0.4% | 鉄 | 70-100ppm |
葉酸 | 3.7mg/kg | D-カルシウム | 65mg/kg |
ビタミンK | 3.52mg/kg | ビタミンA | 4000IU/kg |
ビタミンB1 | 16mg/kg | ビタミンB2 | 13mg/kg |
ビタミンB6 | 14mg/kg | ビタミンB12 | 72mcg/kg |
ビタミンD3 | 1075IU/kg | ビタミンE | 300mg/kg |
ビオチン | 600mg/kg | ナイアシン | 95mg/kg |
■材料■
※トウモロコシ、※殻なし大麦、※殻付き雑穀、※トースト大豆、※エンドウ豆、※レンズ豆、※ピーナッツカーネル、※ヒマワリカーネル、※トーストオート麦の粒、※アルファルファ、※玄米、※チア、炭酸カルシウム、ベントナイト、混合トコフェロール(ビタミンEの供給源)、海昆布、塩、※藻類ミール、ビタミン/ミネラルサプリメント(ビタミンAパルミテート、ビタミンD3サプリメント、dl-アルファトコフェリルアセテート、ビタミンB12サプリメント、リボフラビンサプリメント、d-カルシウムナイアシン、塩酸ピリドキシン、ビオチン、一硝酸チアミン、葉酸、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、亜セレン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、※ひまわり油)
原材料がUSDAによりオーガニック認証を受けた完全有機栽培のみを使っているのが特徴でその他にも、
- 非遺伝子組換検証済の食材
- 化学殺虫剤、除草剤、殺菌剤が含まれていない
- 保存料不使用
- 人工着色料、甘味料、香料不使用
- 二重投与ビタミン無し
等があげられます。
二重投与ビタミン無しがあげられているのは過剰摂取を防ぐためであり、なおかつハリソンのペレットを与えている時はビタミンやその他の食品を補給することは推奨されていません。
栄養補助食品としては野菜や果物を食事全体量の10%以下で摂取してもよく、ニンジンやカボチャ、ブロッコリーやパセリ等濃い黄色または濃い緑の葉のある野菜を選択すると良いそうです。
同じくオーガニック原材料を使用しているペレットメーカーに「TOP’S PARROT FOOD」があります。
■TOP’S PARROT FOODの材料■
有機アルファルファ、有機玄米キビ、有機大麦、有機米、有機ひまわりの種皮、有機ゴマ種子の皮、有機キノア全体、 有機カボチャ、 有機そば粉、有機タンポポの葉粉末、有機ニンジン粉末、有機ホウレンソウの葉粉末、有機紫ダルス、ケルプ、オーガニックローズヒップパウダー、オーガニックローズヒップパウダー、オーガニックオレンジピールパウダー、オーガニックレモンピールパウダー、オーガニックローズマリーホールリーフ、オーガニックカイエン地、オーガニックレッドチリペッパー、オーガニックイラクサリーフ、シナモン
そうなんです。同じオーガニックペレットなのですが、トップパロットフードはビタミン類も自然な材料で構成されているのに対し、ハリソンは核となる穀物等に精製されたビタミン類を添付しているのです。
ハリソンは公式webで着色は鳥の飼い主に印象づけるためだけの物と言い切っています。
ウォールストリートジャーナルが発表した記事の中で生化学者の1人が「鳥は食品の色や味、形についてはあまり気にしていない」と述べているそう。
飼い主の家で常備しているのはアダルトライフのファインとスーパーファインの2種類。
初めはスーパーファインのみだったのですが、粒の大きさが悪いのかオカメインコが喉に詰まらせて吐き出すようになりました。オカメ飼いさんに聞いてみたらと同じくスーパーファインを喉に詰まらせている子が複数いたので、どうやらこの大きさはオカメに向いていないようです。
それなので一回り大きいファインにしてみたのですが、今度はセキセイが粒の大きさに苦戦するように……
仕方がないので2種類用意しスーパーファインの時はオカメインコは別のペレット、ファインの時はセキセイは別のペレットを食べてもらっています。
ちなみにコザクラインコとボタンインコはどちらも大丈夫!もぐもぐ美味しそうに食べています。
スーパーファインとファインを両方一緒に開けないのには理由があります。
ハリソンは開封後6週間以内に使い切ることを推奨していますが、これは保存料が添加されていないためであり、なおかつ保管方法を間違うとあっという間に劣化してしまいます。
そのためハリソンではパッケージにも拘り、酸素や光を通さないものを採用していて、再梱包を避けるよう指示。また冷蔵庫&冷凍庫での保管についても記載されていますが、冷凍・冷蔵したからといって消費期限が伸びるわけではなく6週間で使い切らなくてはいけません。
推奨期間に使い切るため、我が家では2袋同時に開ける事をせず時期をずらして与えるようにしました。
ハリソンに限らず保存料が添加されていないペレットは1ヶ月くらいで味が変化するようで、その時期を過ぎるとすももさん達の食指が鈍ります。油脂が酸化すると過酸化脂質を生成し、肝臓へ負担をかける原因ともなるので、保存料の有無に関わらず開封後1ヶ月以内に食べきれるのが理想かなと考えています。
ちなみにハリソンは1日の総食餌量の約90%を与える必要があるそうです。
一般的に飼育下の鳥の総食餌量は体重の10分の1。コザクラインコの平均は45gなので4.5g、内90%となると約4gです。
ハリソン1袋は454gなので1鳥飼いだと半分以上の286gが破棄になってしまいます
ハリソンペレットは生鮮食品と同じ扱いなので、継ぎ足しはせずに毎日新しいものを与えます。
また肥満鳥であるなど特定の場合を除き、好きなだけ食べられるようにしても問題ないそうです。それを踏まえた上で1袋を充分に使用するならば1日に与えられる量は454gを6週間(42日)で割って10.8g。
食べこぼし等を考えるとオカメインコあたりだとちょうどよく食べきれそうな量ですが……
※飼い主個人の考えです
ハリソンは基本ペレットは2種類、大きさは4種類あります。
※Harrison’s公式webサイトより
略称 | 名称 | 大きさ | |
---|---|---|---|
HPC | ハイポテンシー | コース | 約10㎜のキューブ型 |
HPF | ファイン | 約3㎜×4㎜ | |
HFS | スーパーファイン | 約2㎜×2㎜ | |
HPM | マッシュ | 粉末状 | |
ALC | アダルトライフタイム | コース | 約10㎜のキューブ型 |
ALF | ファイン | 約3㎜×4㎜ | |
ASF | スーパーファイン | 約2㎜×2㎜ | |
ALM | マッシュ | 粉末状 |
チャートでそれぞれの鳥種に対応しているペレットがわかります。
✓がついているハイポテンシーが最初に与えるものになります。ハイポテンシーを6~8ヶ月あげた後に2という数字があるアダルトライフタイムを与えます。
■はおやつにあげて良いものになりますが、大型の子を除くとバードブレッドのみです。
飼い主はアダルトライフタイムから与え始めてしまいましたが、基本シード食や他の食事から変更する場合はハイポテンシーを少なくとも2~6ヶ月与えたほうが良いそうです。(幼鳥の場合は6~9ヶ月)
初めてペレットに挑戦する子やなかなか食べてくれない子は、固形よりも粉末状をシードにふりかけてあげて味に慣れさせてあげると効果的です。
もちろん粉末状は食べにくいから嫌い!という子もいると思うので、様子を見ながら大きさ等を選択してください。特に大型鳥さんは最初に大きな粒の物を選択しがちなのですが、小さい粒に変更してみたら食べてくれたという話をよく聞きます。
ハリソンの公式webサイトで詳しい移行の仕方や食事療法、それぞれの商品の詳しい説明があります。また毛引きと栄養の関係や応急処置の仕方等、鳥さんについて学ぶことができるコラムも多いです。
Harrison’s Bird Foods
Harrison’s Bird Foods are the formulas that provide proper nutrition for your bird’s lifetime care. Because the single most important thing you can do for your bird is to feed it right. Harrison’s Bird Foods is a family of certified organic, nonGMO-verified, formulated diets that were created by avian veterinarians and top avian nutritionists with the health of your bird in mind.
最後に日本で販売しているところは少ないのですが、ハリソンのファウナフローラは愛鳥さんが体調を崩した時の補助食に非常に良いそうです。。知り合いの大型鳥飼い主さんは愛鳥さんが体調を崩したときにこれを買いに走るそう。また獣医さんからも非常時の補助食として使用しているという話をききました。
我が家ではまだ食べさせる事態になった事はありませんが心に留め置き、いざという時は真っ先に頼ってみようと思います。