Totally Organics(トータリーオーガニクス)さんがいつの間にかTOP’S PARROT FOOD(トップパロットフード)さんになりペレットをリニューアルしておりました。
こちらのペレットは自然そのままを重視したオーガニック原材料100%でものすごく草っぽい香りのするペレットです。あまり美味しくないと言われていましたが我が家のボタンインコとオカメインコが好んで食べていました。
しかし数年前にリニューアル。
ほろほろ崩れるくらいに柔らかかった粒が表面ツルツルの激硬仕様になってしまいました。どのくらい硬いかと言うと、くちばし自慢のボタンインコが噛み砕けない程です。
それでもなんとかして食べようとしたのか、ペレットを水につける工夫を見せていたボタンですが、なんとこのペレットは水につけても一切柔らかくなりません。
これには食いしん坊のボタンもギブアップ。次第に誰も食べなくなったので購入するのを止めていました。
オーガニック原料100%で我が家の子達は好んで食べていたのでこれは再購入してみようと思いました!しかし元々のTotally Organics(トータリーオーガニクス)で検索してみたら取り扱い中止や品切ればかり。不思議に思っていると某webショップのTOP’S PARROT FOOD(トップパロットフード)の商品紹介で旧名として記載がありました。
途中購入しない時期があったのですが、パッケージにTOP’S PARROT FOOD、TPOと表記していた時があったような気がします。
公式のfacebookで確認してみたところ、どうやら名前が変わったのは2014年のようです。
Totally Organicsさんは2003年に設立、現在拠点はアメリカ合衆国の北米西海岸に位置するオレゴン州にあります。
どうやら2014年前後にアメリカ合衆国農務省(USDA)の規定か何かが変更になって、USDAの認定無しにOrganicsの文字を使う事ができなくなったよう。だから2003年から使用していたにも関わらず使えなくなってしまったようです。
……あれ?
そうなんです。100%オーガニック原材料から作られてると言っていたペレットがまさかのUSDA認定無し?
というわけで簡単ですがちょっと調べてみました。
※飼い主個人の解釈なので間違いがあるかもしれません。(間違ってたら教えてください)
Home | Agricultural Marketing Service
This site is also protected by an SSL (Secure Sockets Layer) certificate that’s been signed by the U.S. government. The https:// means all transmitted data is encrypted – in other words, any information or browsing history that you provide is transmitted securely.
ますアメリカでは農務省に全米オーガニックプログラム(NOP)という制度があって、この制度によりオーガニック食品の認証が行われています。
そしてそのNOPで定めているオーガニックの定義があります。
オーガニックとは認可された手法で生産された食品、またはその他農業製品の事を指す言葉である。
その手法とは資源の循環を育み、生態系のバランスを整え、生物多様性を保護することが可能な文化・生物・機会を使用して行う農法を取り入れたものである。合成肥料や下水・汚泥、放射線照射や遺伝子操作を使用してはならない。※NOP webサイトより
そしてUSDAオーガニックに認定されるには農作物・畜産物・その他従わなくてはいけない規定があります。
日本では有機栽培やオーガニックの表示が乱立して平成4年(1992年)に表示ガイドラインを制定しましたが、あくまでお願いであって強制力のないものだったので不適切な表示や統一性の無い表示がそのままでした。
これではまずいと平成11年に改正、平成13年から認定事業者により企画を満たすと格付けされた表示(有機JASマーク)と付されたもので無ければ有機栽培やオーガニックの表示ができなくなりました。
ただこの制度での表示の記載は「商品」に対してのみであり、認定されていなくても実際に有機栽培農法で生産されたものについては有機栽培と記載する事について虚偽で無ければ制限がありません。
マークが無くても「有機栽培です」と宣伝することが可能なのです。
それに対してアメリカではオーガニック原料の含有率によって表示の記載が3種類に区分されています。
「100%Organic」 | 100%オーガニック原料の製品 |
「Organic」 | 95%以上オーガニック原料の製品 |
「Made with Organic ingredients」 | 70%以上オーガニック原料の製品 |
この3種類に該当すれば容器包装にオーガニックと記載して良いのですが、USDAのオーガニックマークを使用できるのは100%オーガニックと95%オーガニックの2つのみ。
また70%以下の場合は容器包装に記載はできませんが、成分表にオーガニック原料名を記載することができるそうです。
Totally Organicsでは100%オーガニック原料の製品(ペレット)を作っていたけれどUSDAの認定を受けていなかったからOrganicsの文字が使えなくなった、ということ??
TOP’S PARROT FOODの公式webによると2018年に無事にUSDAオーガニック認証を取得したそうです。
同年に新製品であるバードブレッドを出しているので、もしかしたらその辺りの関係でペレットもリニューアルしたのかもしれませんね。
と前置きが長くなってしまいました「TOP’S PARROT FOOD」のペレットです。
従来の2種類のサイズに加えて新しくミニサイズが登場しました。今回飼い主が購入したのもこのミニサイズです。
TOP’S PARROT FOOD TOP’s Mini Pellets
粗タンパク質 | 最小 13.6% |
粗脂肪 | 最小 5.0% |
粗繊維 | 最大 8.0% |
水分 | 最大 10.3% |
■材料■
有機アルファルファ、有機玄米キビ、有機大麦、有機米、有機ひまわりの種皮、有機ゴマ種子の皮、有機キノア全体、 有機カボチャ、 有機そば粉、有機タンポポの葉粉末、有機ニンジン粉末、有機ホウレンソウの葉粉末、有機紫ダルス、ケルプ、オーガニックローズヒップパウダー、オーガニックローズヒップパウダー、オーガニックオレンジピールパウダー、オーガニックレモンピールパウダー、オーガニックローズマリーホールリーフ、オーガニックカイエン地、オーガニックレッドチリペッパー、オーガニックイラクサリーフ、シナモン
大豆やトウモロコシといった飼料、BHA・BHT・エトキシキンなどの人工防腐剤は含まれていません。新鮮な天然成分のみを使用しており、人工の着色料や香料、保存料、ショ糖や砂糖等の糖類も一切使用していないのが特徴です。
ビタミンやミネラル、アミノ酸等も添加物ではなくローズマリーやローズヒップ、レモン、オレンジピールと言った自然な材料で構成されています。
ちなみにトウモロコシを使わない理由としてトウモロコシは炭水化物の優秀な供給源であるため、簡単に消化吸収され、主にエネルギー源として使用されているが、野生の子と比べて飼育下の子は多くの炭水化物を必要としないためだそうです。
そして小麦についてもアレルギーの反応を引き起こす成分が多いのでこれも使用しないと言っています。また大豆もよろしくないというデータがあるので使用しないそうです。
一般的にアメリカ産のペレットは原材料のTOP3がトウモロコシ・小麦・大豆であることが多いので、正直他メーカーにケンカを売っているのではないだろうかとドキドキします。
鳥用の処方食を出している「ラウディブッシュ」の原材料なんかはまさしくその通りです。
挽き割りトウモロコシ、挽き割り小麦、飼料大豆、大豆油、アルファルファ、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、食塩、DL-メチオニン、エルアルギニン、ナイアシン、混合トコフェロール、ローズマリーエキス、アスコルビン酸、クエン酸、レシチン、二酸化ケイ素(液状酸化防止剤の担体)、α酢酸トコフェロール(ビタミンE供給源)、アスコルビン酸、硫酸マンガン、yucca shidigenエキス、ナトリウム水和物アルミノケイ酸カルシウム、乾燥酵母、ビオチン、パントテン酸カルシウム、酸化亜鉛、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ビタミンAアセテート、硝酸チアミン、メナジオン重亜硫酸ナトリウム複合(ビタミンK)、エチレンジアミン二塩酸塩、ビタミンD3供給源、葉酸、シアノコバラミン(ビタミンB12供給源)、亜セレン酸ナトリウム(炭酸カルシウム中)、プロピオン酸塩、水酸化アンモニウム、酢酸、ソルビン酸、酒石酸、天然リンゴ香味料
※ラウディブッシュ(デイリーメンテナンス)
TOP’S PARROT FOODはビタミンDについても言及しています。
ビタミンD3はカルシウムの吸収を助ける役割があり、特に幼鳥(成長期)や産卵期に必要となる栄養素です。
欠乏するとカルシウムの吸収ができなくなるため、くる病や骨軟化症、骨折等が起こるようになります。特に骨軟化症はオカメインコで多く発生するそうです。
日光浴をする事で体内に生成できるので、インコに日光浴させるのが大事と言われるのはこのためです。またビタミンD3は野菜や穀物にはほとんど含まれていないため、シード食オンリーの子はネクトン等のサプリから取り入れさせるよう言われています。
このペレットではビタミンD3をアルファルファ(牧草)と海藻から取り入れているそうです。成分の紫ダルスとケルプがそれにあたります。紫ダルスは写真で見るとあぁこれねとなる赤紫色の海藻で別名を「あかはた」ケルプは昆布の仲間です。
アルファルファの栄養素はわかりませんが、確かに海藻はビタミンやミネラル、それにカルシウムの吸収を助けるマグネシウムとビタミンDが豊富な食材です。ちなみにアルファルファは2000年代に入ってから注目され始めた牧草で、国内では2003年に北海道の酪農家さんを対象に導入ガイドが発行され、現在北海道で生産されているそうです。
余談ですがビタミンD3は脂溶性のビタミンであり、水溶性ビタミンとは違って過剰摂取した場合尿と共に排出されません。ペレットを与えている時にサプリメントを与えると過剰摂取となり中毒症状を起こす場合があるため、ペレット食にサプリは不要と言われています。
ただ、ひとくくりにペレットと言っても内容も成分も同じ物は無いので、原材料や成分をしっかり確認したうえで足りない栄養素があったり気になるようであればサプリメントを与えるようにするのが良いと飼い主は思っています。
今回の試食は旧製品をもぐもぐ食べていた3鳥にお願いしました。
問答無用で朝ご飯のペレットをTOP’S PARROT FOODに変更します。ちなみに変更前はラウディブッシュのローファットを食べていました。
夕方に確認すると……
ボタン組はペレットがほぼ粉になっていて食べた形跡が見られます。
しかし……
旧製品はあんなにもぐもぐしていたのに……とそれもそのはず。
■旧製品の成分表■
ライス、アワ、大麦、アルファルファ、ヒマワリ、ゴマ、キヌア、ソバ、タンポポリーフ、 キャロット、ホウレンソウ・紅藻類、ケルプ、ローズヒップパウダー、ローズヒップ、オレンジピール、 レモンピール、ローズマリーリーフ、トウガラシ粉、チリペッパー、イラクサ
インコが大好きな粟や大麦がアルファルファよりも多いですが、リニューアル後はその逆になっています。
食いしん坊だけど好き嫌いの多い我が家のオカメが残すのは納得。
しばらくは崩した物を野菜ご飯等に混ぜて様子を見ようと思います。
ちなみに我が家のコザクラインコのすももさんは米で消化不良をよく起こします。そのため原材料で米が上位にきているペレットはあまりあげないようにしていました。
リニューアル後は米が前より少ないので食べられるかもしれません。
TOP’S PARROT FOODではペレットを1日食べる分あげて良いと記載がありますが、webサイトにシードとの併用ガイドがあり、野菜や果物、ナッツや種子等も与えるようにと記載があります。
※TOP’S PARROT FOOD公式webサイトより
自然そのままを重視したオーガニック原材料100%、ビタミンやミネラル、アミノ酸等の添加物も自然な材料で構成されていると言われると「めちゃくちゃ良い!」という気持ちになりますが、欠点もあるんです。
例えばビタミン製剤だとしたら1g当たりのビタミンの含有量は一定ですが、ローズヒップパウダーはその時の質によって含有量が変化します。オーガニックって良いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、オーガニックの定義を思い出してください。一般的にオーガニックの栄養価は優れていると言われていますが、栄養の含有量は定義にありません。
パッケージ記載の成分が「保証成分」となっており、以上以下で記されているのがまさにそういう事なのだと思います。
もし「副菜等がなかなか与えられない」「ペレットだけですべてを済ませたい」という飼い主さんが居るのなら自然由来や無添加物に拘らずにペレットを探すことをお勧めしたいです。
【スモールサイズ】
【レギュラーサイズ】