鹿の角切り行事は11時と13時の2回。
場所は表参道と石銘があった場所から海沿いに真っすぐ進んだ方向です。
特に案内板などはありませんでしたが大きなアーチが立っていて、迷わずにたどり着けました。
写真では分かり辛いですが「神鹿角切場」と書かれた石碑?の奥には石の椅子が並んでいて、ここに座って見学できるようになっています。準備のためか軽トラックが何回も行ったり来たりしていました。
しかしここで目を疑うような看板が!
あれ????鹿の角は分布ではないのかな???????????
嫌な予感をバリバリに感じながら受付に居たお姉さんに尋ねると、分布では無く抽選で当選した1名だけがもらえるそう。
正直に言いますと、ものすごく……ものすごーくがっかりしました、が!
鹿の角切りが生で見られるのは奈良かココ金華山だけ!
そう飼い主は鹿の角切り行事を見に来たのです。そう思えば目当ての鹿の角がゲットできなくてもきっと楽しい♪
金華山では鹿の角を使ってものづくりをする「金華山鹿角プロジェクト」を行っています。春先に生え変わりのために落ちた鹿の角をボランティアさんと集め、それを加工し販売し復興資金としているのです。まだ試作段階だそうですが、なかなかに好評のようです。
しかしお姉さんの話によると鹿の角の回収が年々減っているそうです。
鹿の数は減少していないのに鹿の角の数が減っているというのは、無断で島外に持ち出す人が増えているせいなのかもしれません。
実際飼い主も初めは鹿の角目当てでした。それに島外持ち出し禁止というのが曖昧な記載でしかなく、島での注意事項として伝えられたり看板があるわけでもありません。宮城県の自然公園の禁止行為にも記載はないので気付かずに持ち出す人は多そうです。
鹿の角は漢方の原料になったり、フリマアプリやオークションで高く売れます。旅行記を検索してみると持って帰ったと写真を載せている人も多かったです。
ちなみにどうしても欲しい人のために販売もしていました。
買うのも有りかなとちょっと覗いてみたのですが……
奈良の鹿愛護会の販売額を知ってからだとすごく高く感じます。金華山黄金山神社は東北大震災と同年の台風で境内修復の義援金を募っており、まだ修復されていない道がたくさんある事も考えると協力したいところですが……
11時前になると観客も増え賑やかになってきました。それでも50人くらいかな??もっとたくさん集まるのかと思っていたのでちょっと拍子抜けです。でも思えば飼い主だって鹿の角切りやっているのをつい最近まで知らなかったので、あまり周知されていない、離島である事がネックになっているのかもしれません。
そして時間ぴったりに、始まりました。
まずは神事。厳かな雰囲気の中……と言いたいところですが、野外という事もあり司会?と神主さんの声がきこえず何をしているかが観客にはちょっと不明。
角を切るために鹿を追い立てる彼らを勢子(せこ)と言うそうです。昔は神社の職員が追い立てから角切りまでを行っていましたが、平成の初めの頃から地元石巻の勢子さんが追い立てを、角切りは神職さんと役割が別れたみたいです。
ほんとにおチビさんからまだ見た目まだ学生の男の子、貫禄のあるナイスミドルまで年齢層は幅広く見えました。
鹿の角切りを生で見るのは初めて。ワクワクドキドキ、どんどん気持ちが高まります。
鹿は奥のゲートから入ってきます。どうやらその奥が広場になっていて予め待機している鹿がいるみたいです。そこに勢子さんが入っていって会場まで鹿を追い立てます。
鹿は懸命に群れになって逃げますが、勢子さんの絶妙なチームプレイで徐々に散り散りになっていきます。最終的に広場には鹿が2匹だけになりました。
不安そうに寄り添っています。動物と暮らしている飼い主はついつい鹿に肩入れしてしまうのですが、そこはきちんと大丈夫!大学の先生(獣医さん? )が付いていて常に鹿の状態を見てくれています。あまりにも興奮してしまった子や怖がってしまった子は一旦時間を置いたり奥の広場に逃がしてあげたりと配慮していました。
ここで鹿に水を飲ませて落ち着かせてから角を切ります。その最中に体長?を測っているみたいです。
金一封を置いていた箱に鹿の角を置いて上から引き揚げています。
後半になると勢子さん達は素手で鹿を捕まえようと奮闘します!
しかし鹿も必死です!その脚力で縦横無尽に飛び回りなんとか逃げようと頑張ります!!
しかし鹿の勝利は束の間。
直後にナイスミドルが素手で鹿の角を捕らえ、歩みを止めてみせます。
これには鹿もなすすべなし。この後丁寧に運ばれ角を切られてしまいました。
角を切られた鹿は会場の外で体重を量られ野へと帰されます。
初めて鹿の角切りを見ましたが、とても見ごたえがありました♡人に慣れているとは言え、野生の鹿とそれを相手に奮闘する勢子さん達。カメラのレンズを標準一本しか持ってきていないのを本当に心から悔やみました(笑)神聖なる行事なのかもしれませんが一種のスポーツ、高校野球の地方戦を観戦している気持ちです。
ただ年1での開催からかスポンサーがいないからか、ちょっと進行がぐだぐだしたり何かが起きてストップしているのはわかるけれど何が原因なのかはわからず??となったりしました。
地方の地域行事と思えばぐだぐだもゆったりほのぼのしていて良いのですが、人によっては間延びして退屈に感じられるかもしれません。
写真を撮りたかったのもあり飼い主はフェンスからかぶりつきだったのですが、割と観客は控え目で後方で座って見ている方のほうが多かったです。
2人程取材っぽい方と三脚込みで撮影されていた方が2人。報道関係者がこぞってやってくる程ではないようです。
11時から始まって終了したのは12時20分過ぎでした。
もちろん鹿の角の抽選発表もあったのですが……
しかし素晴らしいものが見られたので良しとします。
ここからは神社も会場も離れ、帰りの船の時間まで1時間、島を散策する事にしました。
↓続きです。