2019年4月6日
ひなちゃん達のママであるろこちゃんが亡くなって数日。
まだ1鳥でしっかりとご飯を食べられないひなちゃん達は常に飢えていました。
自分達でシードを啄ばんではいるのですが、ご飯をもらうほうが好きみたいでびぃびぃ必死に鳴いて空腹を訴えます。
パパであるむにちゃんが頑張ってくれているのですが、今まで育児のメインはろこちゃん。
たまにご飯をあげるくらいのむにちゃんに、いきなり2鳥のお世話はむつかしいように見えました。
飼い主も朝早くに起きて挿餌をし、夜家に帰ってからは挿餌。
ろこちゃんが残してくれた可愛いひなちゃん達を育てなくてはと必死でした。
この日、ひなちゃん達の挿餌を行っているとお隣のケージにいるボタンインコのはなちゃんがケージを出る!と騒ぎだしました。
はなちゃんは去年の11月に3歳になったボタンインコの女の子。
同じボタンインコのひよちゃんに恋して何度もアピールを繰り返している恋する乙女です。
そんなはなちゃんが「出して!」とケージの入り口をガンガン鳴らしています。
思えば昨日もそんな事をしていたなぁと思い出しました。
ひなちゃん達はまだ飛びまわる事ができないし、はなちゃんは気が強いですが怖がりなので飼い主がひなちゃん達を抱っこしていればケンカにならないだろう。
そう思ってはなちゃんをケージから出してあげることにしました。
出してあげないと気が済まないだろうという程はなちゃんが訴えていたから、というのもあります。
ケージから出てきたはなちゃんはとてとてと歩き、あろうことかひなちゃん達を乗せていた飼い主の手の上に飛んできました。
はなちゃんは元々人嫌いの荒鳥で、我が家にお迎えした時は威嚇や噛み付きが酷く飼い主は何度も流血しました。
今は穏やかで滅多に噛まなくはなりましたが、あまり手に乗るのは好きではなく未だにトレーニングを続けている最中です。
そんなはなちゃんが自ら手の上に乗ってきたのは、ひなちゃん達が目当てに違いありません。
飼い主1人緊迫の中3鳥を見つめていたら、はなちゃんは驚くべき行動に出ました。
なんとひなちゃん達にご飯をあげだしたのです。
ひなちゃん達もまるでそうであるかのようにはなちゃんにご飯をおねだりしています。
はなちゃんは3歳の女の子ですが、今までに子育て経験は無く吐き戻しの姿を見たことは1度もありません。
それなのにひなちゃんに懸命にご飯をあげています。
気が強くて他の子が近づくとくちばしを大きく開けて怒る子なのですが、ひなちゃんがご飯ちょうだい頂戴と身体を押してきても怒ることなく宥めます。
はなちゃん、はなちゃん。
我が家のインコ女子は割りと仲が良く、放鳥中に他の子のケージに集まって、まるで女子会しているかのように鳴きあっていました。
ろこちゃんを我が家にお迎えした時は、コザクラインコのすももさんが頻繁にろこちゃんのケージに遊びにいって、声をかけていました。
ろこちゃんが卵を産み、温め、ひなちゃんを一生懸命育てている期間、はなちゃんは隣のケージからよくろこちゃん達のほうを見つめていました。
ひなちゃん達と鳴きあっていたこともあります。
獣医さんによると同種の子が自分以外のひなちゃんにご飯をあげることはあるけれど、異種間は非常に珍しいそうです。ましてやはなちゃんは今まで育児経験も無く、吐き戻す姿は今回が初めてです。
我が家にいる子は大半が元飼い主さんによる飼育放棄や不適切環境での飼育、泣く泣く手放された子もいますが、ほとんどが人間不信で他の鳥さんとのコミュニケーションも取れずにいた子ばかりです。
そんな子達が我が家できちんと1つの群れとして家族として過ごしてくれていたのかと思うと、嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。
2019年4月9日
夜ご飯の時間になると待ってましたとばかりにひなちゃん達ははなちゃんの元へ行くようになりました。
はなちゃんもひなちゃん達に寄って行ってはご飯をあげます。
なのでまずはなちゃんにはたくさんご飯を食べてもらって時間を置いてからひなちゃん達をケージから出すようにしました。
放鳥時間が終わる頃に、またはなちゃんのご飯入れにご飯を入れてあげるのも忘れないようにします。
はなちゃんはたくさん食べてはひなちゃん達にあげて、それでも足りなければまた戻って食べてと大忙しです。
でもそれが自分の役目というように、大好きなひよちゃんが来ても「また後で」というようにひなちゃんの元へ走ります。
ろこちゃんを失い、辛くて悲しくて毎日をなんとか過ごしていた飼い主でしたが、そんなはなちゃんの姿を見たら飼い主としてしっかりと支えてサポートしていかなければと強く思いました。
はなちゃんの様子を見て、ひよちゃんやぐりちゃんがはなちゃんにご飯をあげはじめたり、すももさんも真似っこしてひなちゃんにご飯をあげようとしたり、みんなで一丸となってろこちゃんの子であるひなちゃん達を必死になって育てました。